9月に入ると奄美大島は行事ラッシュ。
土日は、運動会、豊年祭、敬老会などで休みなし!
シロアリハウス近くの小学校では、敬老会に向けて、
集落の子供たちが、相撲をとる練習をしていたようです。
そして、9月11日、龍郷町の各集落で敬老会が開催されるなか、
同町の秋名幾里集落では、豊作を祈願する「
アラセツ行事」が行われます。
旧暦8月の最初の丙(ひのえ)に行われる行事で、暦に従って開催されます。
今年はたまたま日曜日に重なり、例年以上の見物客がありました。
韓国のTVクルーも来てました。
アラセツ行事は、約450年前、琉球時代から同地区に伝わっているもので、
夜明けと共に片屋根を揺り倒して豊作を祈る「ショチョガマ」と、
夕方、海岸で「神(カミ)ヒラセ」と「女童(メラベ)ヒラセ」と呼ぶ
2つの岩で豊作を祈る「平瀬マンカイ」があります。
戦中戦後に途絶えていたのを昭和35年、
秋名・幾里青壮年・婦人会が中心となって復活させたものだそうです。
当時、秋名小学校後援のもとに設置された「秋名平瀬マンカイ保存会」は、
今もこの行事運営の中心となっています。
ショチョガマとは、下の写真にある方屋根のこと。
行事の約1週間前、朝早くから地元青壮年団が集まり、
36本のシイノキでやぐらを組み、地元で獲れた稲わらで縄を編んだり屋根をふきます。
海岸清掃や草刈りもみんなでやります。
夜は、ライトアップもされて幻想的。(写真ないけど)
地元の方が駐車場を貸してくださるということで、早朝、4時半に現地入り。
5時頃になると、あちこちから見物客が車で訪れ、道端に車が並び始めました。
気づくと、あっという間に道沿いは車がひしめき、大型バスも動けなくなりました。
(このあたり、規制が必要になりますね)
6時頃から、ショチョガマの上にチジンを抱えた男性が座り始め、
たまにポンっと音を鳴らします。
儀式が始まったのか、準備しているのかよくわからないけど、一応、見守ります。
30分くらい、状況がよくわからないまま見つめていると、
屋根に乗った男性たちが立ち上がり、
「アラセツ」という島唄の一節を歌い始めました。
一緒に見学していた地元の話では、
「島唄は男と女の唄の掛け合いだけど、ショチョガマは女人禁制の行事のため、従来のアラセツ唄の男性パートのみを唄うのよ。」ということです。
屋根の上の人が徐々に増え始め、100人はゆうに超える男衆が屋根に乗っかります。
見物客も乗ります。
アラセツの唄を唄い終えると、屋根に乗った男性陣が掛け声とともに、決められたやり方で、屋根をつぶしにかかります。
こんな感じ。
本来は、太陽が顔を見せると同時に倒すのだそうですが、
今回は、雨模様で、太陽は姿が見えず。
日の出時刻から1時間が過ぎても、倒れる様子はありません。
7時に近づく頃から、唄を唄っては、みんなで片屋根(ショチョガマ)を揺らしはじめ、
1回でつぶすのかと思ったら、何度も同じことをやります。
7回、8回ほどやったところで、屋根が一気に崩れ、屋根に乗っていた男衆が、
アップテンポな感じで踊り、見物客も少しずつはけていきました。
私たちも、帰ろうとしたら・・・
なんと、
見物客に秋名で採れた新米のお結びとパパイヤ漬けがふるまわれはじめました。
朝5時から、婦人会の方が300個のおにぎりを準備して、無料で配っているのだそうです。
おもてなしだから、と言われても申し訳なくてもらえない。
お金を取ってもらったほうが、遠慮もなくていいんだけれど・・・。
見物客の数は、どこも発表してないようですが、
おにぎりが行きわたった人は半分くらいと見受けられたので、
600人以上はいたと思います。
夜は、集会所で八月踊りが盛大に行われ、
その後は、各家家で仲間同士の反省会が行われました。
私が参加した家では、駐車ルール、見物客への有料サービスを作らないか・・・などなど、アイデアが出ていました。
おまけ
今日のシロアリハウス。
近くの水道工事の車両置き場になっていたので、庭が整備され、
草も生えにくい状態になっていました。
東京から仕事で来ていた知り合いにも、せっかっくなので、
シロアリ被害を堪能していただきました(笑)